#383 「育成」にひそむ傲慢さ【三日坊主とひとりごと】

フリーライターになって2年目のころ、もともと制作会社、つまり“発注する側”の人間だったわたしは、周りのフリーランスの人たちが「もったいない営業」をしていることがとても気になって、noteやら外部のコラムやらに、ずいぶんエラそうなことを書き散らかしていた。

お客さんの方を見るべき時間を、なぜか同業者に向けてしまって、数年後に(つまり今)すごく反省することになるのだけど……。

実績がまあまあできてきたこともあり、最近は「ライティングのノウハウを書かないのか」「講師をやらないのか」と聞かれることがちょいちょい、出てきた。

結論は「やらない」。

それは、前の反省があるからというのもあるし、「今さら何をわたしがやる必要があるのか」とも思うからだ。

ライティングは、本当に基本的なことだけ学び、それを徹底し、訓練すれば誰でもできるようになる。参考書はやまほどある。というか、上記2冊だけおさえれば十分すぎるくらいだと思う。

「本だとよくわからない!」という人は、文章講座とかでググったらこれまた山ほどセミナーが出てくるはず。

企業広報系のライターがものすごく少ないことがわかったとき、わたしの脳裏にも一瞬だけ、「育成」という2文字がよぎった。

でも正直、「育成」なんて傲慢きわまりない発想だなぁと思う。

(わたしにそれを教えてくれた人がいるのだけど、その話はまたあとで。)

地道に実績を積み重ねていくのが、結局いちばん。